第51回地盤工学研究発表会

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講演内容

開催日
2016914 15:35~16:45
新納泉氏
会 場

岡山大学
創立50周年記念館 金光ホール

会 費 無料(事前申込不要)
講 師

講演内容
新納 泉先生(岡山大学文学部教授)講演時間 15:35~16:45
「前方後円墳の設計原理」

講演内容

 あの巨大な前方後円墳は、どのようにして設計されたのか。半世紀以上にわたって多くの人たちがこの謎に挑戦してきましたが、正解にたどり着くことはできませんでした。これまでの測量方法では誤差が大きく、推論の恣意性を克服することができなかったのです。しかし、新しい三次元計測の技術によって、その限界が乗り越えられようとしています。
 立ち入りが許されず、樹木に覆われた大規模な天皇陵古墳も、航空レーザー計測によって立体的に正確に形態を把握できるようになりました。その結果、前方後円墳は中国由来の尺度を用いて、傾斜に配慮しながら周到に設計されていることが明らかになってきました。崩落を避けるために、場所によって傾斜を使い分ける。さらに、規模が大きくなるに応じて微妙に傾斜を緩くしている。文字も設計図も用いず、限られた計算の水準にとどまっていたと思われる当時の人びとの知恵が、美しい前方後円墳の形態に凝縮しているのではないでしょうか。

講師プロフィール

滋賀県生まれ。京都大学文学部卒業。同大学院修士課程・博士課程を経て、1984年から岡山大学に勤務。文学部助手、助教授、教授を任め、現在は大学院社会文化科学研究科教授。岡山県内の多くの古墳を発掘してきた。1991年にイギリスのサウサンプトン大学に留学し、そこで知ったコンピュータ考古学がその後の専門分野のひとつに。2005年から全国第4位の規模をもつ岡山市造山古墳のデジタル測量に着手。これが現在の研究につながっている。2012年には半年間にわたってアイルランドのUCDに滞在し、『鉄器時代と中世前期のアイルランド』(2015)を著した。「前方後円墳の設計原理試論」(『考古学研究』第58巻第1号、2011年)、「誉田御廟山古墳の設計原理」日本考古学協会編『日本考古学』第39号、2015年)が今回のテーマにかかわる論文。現在は、日本考古学協会理事、考古学研究会常任委員。2012年に山陽新聞社賞(学術功労)受賞。